福知山線廃線敷
秋の1日、気の置けない仲間と、昭和61(1986)年まで使われていた国鉄時代の福知山線、生瀬駅から武田尾駅までの線路跡を整備したハイキングコースを歩きました。武庫川沿いの道には枕木が残っており、最長413mの北山第2トンネルをはじめ、6つのトンネルを通るワクワクも楽しめます。上のスケッチは溝滝尾トンネル出口から見える第二武庫川橋梁を描いたもの。
道はずっと武庫川に沿っていて、海に近いところではゆったり流れている武庫川もこのあたりでは大きな岩の間を激しく流れるところも多く、その景観美は見応えがあります。
レールの側に自然の岩を使って設けられたステップがついた見張台のようなものが、かつてSLが走っていたことの証として残されています。(これは想像するにSLの運転台に何かを渡すため、あるいは旗信号を行ったところかと思うのですが、私は調べきれません。もしご存知の方がおられましたらお教えのほど)。
この武庫川渓谷に沿った鉄路には、確かに蒸気機関車が走っていました。私の父は兵庫県八鹿町の生まれで、私が子どもの頃、住んでいる大阪、大阪駅から父と共に幾度か八鹿へ向かう列車に乗った記憶があります。6つのトンネルを通るたび、煙突からの真っ黒な煙が入らないよう窓を閉め、抜けるとまた揚げるということを繰り返したことは、その時の煙の臭いと共に忘れられない思い出として今も残っています。そんなことを思い出しながら歩いた日、満たされた気持となった秋の1日となりました。