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こころの風景 スケッチ:こころの風景

こころの風景 7

近鉄大阪線、恩智駅、南へ〜踏切のある風景

大阪府八尾市、娘夫婦の住まう街は、都心部とは違うゆったりとした時間が流れている。繁華街、天王寺からJRで30分足らずの距離なのに、生駒葛城山系が間近となり、広がる田畠では季節柄、鶏頭や彼岸花を見ることができる。気持ちが落ち着くのは、まさに昭和の空気に癒されるからかも知れない。
家から東へ、山の麓の方向に歩いていくと近鉄大阪線と農道が交わるところに踏切がある。私は鉄ちゃんではないが、踏切にはなぜか引かれるものがある。ただ残念なのは赤いシグナルがLEDの光に代わってしまっていること。クラシックな赤いランプは幼い頃、父に連れられていった大阪駅から出ていくSLの最後尾の列車についていたが、それがとてももの寂しかったことがあった。それ以来なぜか心惹かれるものの一つになっている。そういえば春日八郎の歌う「赤いランプの終列車」というヒットソングもあった。

ここの昔ながらの風景の中の踏切には、以前の厚い球形のガラスカバーに覆われた赤ランプと、電子音ではないカンカンという警報が、やはりお似合いだと思うのだが。
秋の日の午後、そんなことを思いながらのんびりと描いた。

八尾踏切風景水彩

 

水彩画 こころの風景とは】

街を歩いていると、思わずカメラで撮影したくなる風景に出会うことがあります。
そんな風景は例えば母に連れられた歩いた土手道だったり、小学校への通学路の公園、高校へ向かう時の駅など、思い出にまつわるものが多く、その記憶を確かめながら、それを「こころの風景」として描くテーマ1としています。

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