大阪の風景をチャコールペンシルで描いています。
魅力的な大阪のレトロ建築の中でも中之島にある大阪中央公会堂は最も代表的な建築物で国指定の重要文化財に指定されています。特徴的な正面入り口上のアーチ、煉瓦の赤と壁のグレー、塔屋の青銅色といった色のコントラストや、窓の形、全体に堂々とした風格ある存在感は、明治の建築家の新進気鋭の勢いを感じます。
これが建てられた経緯は有名です。 株式仲買人の岩本栄之助が当時のお金で100万円(現在の数十億円)という建築資金を大阪市に寄付、1913(大正2)年着工、5 年の時をかけて1918(大正7)年に竣工しました。
残念ながら岩本はその完成を見ぬままこの世を去りました。設計は競技形式で募集し早稲田大学の岡田信一郎教授の提案が一等になり、その案を元に東京駅を設計した辰野金吾と片岡安が設計しました。完成後は多くの催しが戦前、戦後と開かれ、ヘレンケラーやソ連の宇宙飛行士ガガーリン、ゴルバチョフの講演なども開かれました。今は活用されつつ大切に保存されています。
次は水の都、大阪から橋のある風景です。東西に流れる大川には天満橋、難波橋、天神橋と浪華三大橋と呼ばれている橋がかかっています。
この風景は中之島から天満橋方面を描いたもので、遠くに大阪ビジネスパークの高層ビル、さらに生駒山系が見えます。大阪には難波八百八橋と言われるほどたくさんの端がありいつかはそのうちの歴史的なものや、美しい形のものをスケッチしたいと考えています。今回は端そのものではなく橋のある風景です。
今回は、普段使い慣れている鉛筆に代えて、チャコールペンシルで描いています。この素材を使う場合、用紙はよく使う荒目と呼ばれる表面が比較的凹凸のある用紙ではなく、比較的平滑な細目が合うようです。
荒目にチャコールペンはザラ付きが強調され柔らかな印象になるのですが、線が途切れがちになり細部を描くのに苦労します。その点細目は滑るので、線は比較的滑らかです。ただし細目は水彩絵具の浸透が遅く、水加減がややむつかしいということがあります。描く対象によりどうタッチが変化するか、今回3つの対象で実験してみました。