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スケッチ:こころの風景

こころの風景 2

チンチン電車 阪堺電気軌道

阪堺天王寺

 

 

阪堺電気軌道、通称「チンチン電車」。恵比寿町から我孫子道までの阪堺線系統と天王寺駅前から浜寺駅前までの上町線系統があるが、今回は天王寺駅前駅と電車をスケッチ。

昭和32年頃、小学校低学年の私と、4歳違いの弟の二人を浜寺海水浴場へ連れていってくれた母方の祖父に乗せられたのがこの電車であった。
天王寺から、かなりかかる浜寺までの間、早く、早くと電車の中でも走り出したい気持ちでいっぱいの思いだった。

当時の浜寺はまさに白砂青松の地で、海は青く澄んでいた。ねだって買ってもらった水中メガネで見た海の中の光景は、今もはっきりと思い浮かべることができる。

祖父は砂の上に座り、ただ私たちを遠くから眺めているだけであったが、水中メガネのゴムに白い紐をつけくれていたことを思えば、二人を見失わぬよう、しっかりと見守ってくれていたのだと思う。
そんな浜寺海水浴場も昭和36年、臨海工業地帯ができ姿を消す。

今も浜寺駅前行きの車両を見ると、あの頃の海、白い砂浜と、そこにじっと座っていた祖父の姿が蘇ってくる。

天下茶屋阪堺線

同じく阪堺線、天王寺駅前を出てしばらくしてある「東天下茶屋駅」にさしかかる車両。後はあべのハルカス。もうしばらくは日本一高いビルである。昭和レトロな街をしばらくは進んでいく。

 

 

【水彩画 こころの風景とは】街を歩いていると、思わずカメラで撮影したくなる風景に出会うことがあります。
そんな風景は例えば母に連れられた歩いた土手道だったり、小学校への通学路の公園、高校へ向かう時の駅など、思い出にまつわるものが多く、その記憶を確かめながら、それを「こころの風景」として描くテーマ1としました。

 

 

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